481 :近所のおっさん。:01/12/02 18:55
自分が小学生の頃、近所でわりと有名なおっさんがいた。
ぶつぶついつも呟いて、町を徘徊していた人だった。
両親も含めて、奇妙な人だから近寄らない方がいいと皆言っていたので、話し掛けたことはなかった。
当時、サッカークラブに通っていたのだが、
ある日、俺は思いっきり接触してしまい、首をうってしまった。
結局、鎖骨の骨が折れてしまい、急遽病院へ。
そのとき、校門から『あのおっさん』が俺のことを見ていた。
翌日、首をがちんがちんに固定して学校へ。
休み時間に廊下の窓から外を見ると、おっさんがいるではないか。
帰り、友人と一緒に家に帰る途中で、おっさんは待機していた。
おもむろに俺に近寄ると、首のところにスッと手をあててくれた。
その間、およそ数分間。おっさんの額は汗ぐっしょり。
さすがに怖くて、おっさんが手を離すと、すぐに俺は家に向かって走った。
家に着いて、両親にそのことを話そうとして変化に気づいた。
首の違和感がまったくないではないか。
1週間後、経過確認で病院にいったら、医者が驚嘆してた。骨折の跡がまるでなかったらしい。
俺はその話を両親にしたけど、まるで信じない。(治ったこと自体は不思議がっていたが)
俺自身も半信半疑だったが、一応、おっさんにお礼を言おうと思ったら、行方をくらましていた。
今から思えば、子供には評判がよかったおっさんであった。
元気であって欲しいと思う今日この頃。
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