100 :本当にあった怖い名無し:2007/07/08(日) 04:27:16 ID:wJXiziq/0
幼い頃に、天狗らしきものに遭遇した事がある。天狗か知らんけど。
当時は鎌倉に住んでて、当時の鎌倉はだいーぶ未開発の田舎風味だったんだ。
それで家すぐ近くにデッカイ山があって、そこに入り込んでドングリをよく集めて遊んでた。
で、ある日、いつも通り友達とドングリ集めしてた。
んで、ドングリを追ってひたすら拾い歩いてたら、
友達と逸れて、正しい道からも逸れちゃって、ガチで遭難した。
それで、その辺りが暗くなって、誰の声も聞こえないし見えない。月明かり程度しか無いしね。
足元は不安定だから、幼心に滑り落ちたら死ぬって確信があった。
それで、ビニール袋一杯のドングリ抱えてうずくまって、ワンワンとずっと泣いてたんだ。
そしたら、目の前に誰かが立った。
すげえデカイ脚。それだけは判った。あとはナンも判らん。今思うと、男の脚だってぐらいか。ごつかったし。
で、何も言わないから、親に言われた迷子の作法として、自分の名前を言って、迷子になったと言った。
それでも向こうは黙ってる。
「おうちに帰りたい。集めたドングリをあげるから、一緒に来てくれませんか?」ぐらいは言ったと思う。
こっからが本当に俺の記憶が正しいのか、今思うと不思議。
俺の前の人は、「む」だか「ん」だか判らないが、少し唸って俺からビニール袋を受け取った。
すると、ひょいと馬鹿でかい手に尻を掬われた。猫を片手で抱く感じか。そんな調子。
当時四歳児とはいえ、尻を鷲掴みにする手だぜ?恐ろしくデカイ。
それで、父親の肩車よりずっと高い位置に移動するのを感じて、一回それが下がって、急にまた上がった。
気が付いたら、眼下に鎌倉全景が見えた。
驚いたけど、俺の家は駅の近くにあったから、駅の方を見て「あっち」とか言った。
するとまた、天狗?は唸った。
で、木々の上を跳ねてるのか飛んでるのか判らない様な感じで、あっという間に山の入り口あたり。
街頭が見えた。
そこで下ろされて、ありがとうを言おうと思って頭を下げて上げたら、もう何もいなかった。
家に帰ると、警察は来てるわ親は泣いてるわで大騒ぎ。
その後、俺は山への出入りを禁止されたんだけど、
しばらくはこっそり山に入って、お菓子とかを目印になりやすい木の所にお供え?してた。
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