105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(栃木県) :2008/09/13(土) 23:31:08.20 ID:ASXal0AQ0
一人暮らしをしている大学生の男がいた。
男が住んでいるのはごく普通のアパートだが、たまにおかしなことが起こった。
大学から帰ってくると、カーテンの形やゴミ箱の位置などが、微妙に変わっている気がするのだ。
最近は誰かにつけられてる様な気もしてきた。
流石に気味が悪くなってきた男は、大学の友人に相談した。
男が、
「もしかして…ストーカーかな?
警察に言うのが一番良いと思うけど…警察は実際に被害が無いと動いてくれないって聞くしなぁ…どうしよ……」
と困っていると、友人は、
「…じゃあ大学に行ってる間、ビデオカメラで部屋を撮影しておいて、
もしストーカーが部屋に侵入してるのが撮れたら、そのテープもって警察に行けば良いじゃん。
不法侵入してるわけだから、さすがに警察も動いてくれるだろ」
と具体的な解決策を提示してくれた。
やはり持つべきは友!これは良い案だ!と思った男は、
早速次の日の朝、部屋にビデオカメラを設置して、録画状態のまま大学へ行った。
大学から帰ってきた男は焦った。久々に部屋に違和感がある。
これは期待出来る、マジにストーカー映ってるかも…と思いながら、ビデオの録画を止め、再生した。
しばらくは何も映らなかった。
しかし夕方になると、知らない女が包丁を持って部屋に入ってきたのだ。
「…!!!!!!」
ビビった男は、すぐに友人に電話をかけた。
「ヤッベー!映ってる映ってるストーカー映ってる!!!!」
と若干興奮気味に伝え、それからは録画を見ながら友人に内容を実況した。
「ゴミ箱漁ってるよぉ…」「今度は服の匂い嗅いでる…キメェ!!」
今までコイツは何回も来ていたのかと思うと、男は背筋が凍る思いだった。
「これで警察も動いてくれるなぁ」と少しホッとしてると、画面の中の女は押入れに入った。
「うっわ…押し入れの中入ったよ、しかもなかなか出てこない……」
などと友人と喋っていると、また誰かが部屋に入ってきた。
男は言葉を詰まらせた。
部屋に入って来たのは自分だった。
そしてビデオの中の自分は、カメラに近付き録画を止める。そこでビデオは終わっていた。
押し入れにまだ女がいる。
「破ぁぁ!!!」
男は押入れに向かい念を込めた。
しばらく押入れではどたばたもがいていた様だったが、すぐに静かになった。
わざわざビデオに撮らなきゃ見つけられないなんて、俺もまだまだ未熟だな……
うちのオヤジは凄い、改めてそう思った。
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