734 :本当にあった怖い名無し:2011/08/16(火) 09:16:18.67 ID:hJKZtXIlP
自分は親の影響で2つほどの武道を掛け持ちしていて(あまり印象は良くありませんが)、
両方とも武器を使わず、片方はかなり荒っぽい組み手主体、もう片方は型が主体の武道の流派です。
この体験は、組み手主体の方で体験したことです。
武道にかかわらずスポーツの世界では、プレイ中に気分がhighになることが良くありますが、
一瞬気を抜いたら突きや蹴りが迫ってくるという、武道独特の極度の緊張下では、
よく良くわからないことが起きます。
ハッっと気づいたら試合が終わっていて、なぜか勝っていた。
鼻や腕が折れているのに、そのまま痛みもなく普通に殴れる。
痛みというものが別の感覚になってくる。
(自分は、殴られる痛みがくすぐられたような笑いに変わっていくことがあります)
相手が人ではない何かに見えてくる。
本題は、一番下の『相手が人ではない何かに見えてくる』というものです。
735 :本当にあった怖い名無し:2011/08/16(火) 09:40:08.35 ID:hJKZtXIlP
道場の中では、組み手というのは数をこなすとうまくなるというのが考え方で、
もう一歩も動けない・・・というコンディションからが本番という、かなり厳しい教えられ方です。
その練習の中で痛みや疲れなどがピークに達すると、時々ゲシュタルト崩壊みたいに、
目の前にいるこれは何なんだ?というような、意味不明な思考に陥ることがあります。
それ自体は周りの友人にも聞いても結構な頻度であるのですが、自分が一番恐怖に陥った体験があります。
そのときも追い込みに追い込みをかけられて、
あ・・・これはまたアレか・・・と、そのときは普通にいつものアレかと思いましたが、
なぜか目の前にいるものが、いつものあやふやな感じではなく、すごく存在がハッキリしているのです・・・
ただし、目の前に見えたのは、人間とは思えない異形のものでした。
全身が真っ黒で目も鼻も口も何もないのっぺりとした姿形は、かろうじて人間だが足はない。
そして、何人もの男が組み手をやっていてものすごい音のはずなのに、
そのとき気づいたら周りの音が一切聞こえず無音。
ただ自分はなぜか、目の前にいる異形から目を離したら死ぬ・・・と感じ、一心不乱にソレと戦っていました。
何分か何十分かわかりませんが、いつの間にか目の前の異形は戦っていた友人へと変わり、
まわりの音も普通に聞こえてきました。
736 :本当にあった怖い名無し:2011/08/16(火) 10:05:41.08 ID:hJKZtXIlP
練習が終わった後、組み手をしていた友人に、
「=上記のことを説明= 自分そのときどんな感じだった?」と聞くと、
「ん?普通に組み手やっていたよ、特に変わり無く」と、まったく何も無かったのかの用に返答してきました・・
が、続けて「ただ、一瞬だけ良くわからない方向を殴っていたな・・」と、後出しで言って来ました。
その後は特に大事も無く日常を過ごしていましたが、
つい最近道場での集まりで、師範にその話をする機会がありました。
師範はその話を聞くと、うれしそうな顔をしてこういいました。
「それは俺も大学のときに体験したことがある。それはソレと思っておけ」
その後、師範に言われたことを要約すると、
ソレは師範の知り合い中でも体験したことがある人も多く、有名とまではいかなくとも知ってる人は多い。
姿形は結構変わるらしいが、全身黒い、脚が無い、極度の恐怖心に苛まれるなど、共通点も多いらしいです。
自分が精神的体力的に極度に疲れたときに現れる。
ソレが現れると将来強くなるというジンクスがある。
師範はそれを喜んでいましたが、自分はまったく笑えませんでした。
その後、「じゃぁ強くなれるように練習だな!」といわれ、ソレとの邂逅なんぞ屁みたいな恐怖を与えられました。
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