死ぬ程洒落にならない怖い話 『坂道で』

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723 :坂道で。(1/3):2001/05/02(水) 20:05

3年前、実家に帰省したときの話。

実家の近所に100m位のわりかし急な坂がある。

道の横は両方土手で、人が落ちないように1m程度の石塀が立ってる。

ちょうど夕焼けで辺りが微妙に暗い時間ってあるでしょ。そんな時間に用事があってその坂をのぼってたのよ。

こんな時間だし、実家は田舎だから俺以外の通行人はいなくて。

そうしたら坂のてっぺんに、こっちに背を向けた髪の長い女が立ってるのね。

別に立ってるだけだから普通なんだけど、何か気になって視線が外せなくなった。

女がくすんだ薄ピンクのスーツを着てるのが認識出来るくらいまで接近しても、俺は女の後ろ姿を見続けた。

そんで女もピクリとも動かないのよ。髪は風でふらーっとなびいたりはしてるけど。

10m位まで接近して、もういい加減見るのよそうと思って視線逸らそうとしたとき、

女の首がガクンって180度真後ろに倒れてきた。

俺はぎょっとして一歩引いたよ。

表情は見えなかったけど、見えなくて正解だったかも。

724 :坂道で。(2/3):2001/05/02(水) 20:06

しかも女は後ろ向きのまま(顔はこっち向きだけど)すたすたすたすたとこっちに向かってきやがった。

俺は背を向けて走り出した。下り坂だしあっちは早歩きだから逃げられると思って。

でも走ってる間、なんでか俺は女に追いつかれそうになってることに気付いてた。

その通り、女はカッカッカッと足音を立てながら俺に追いつき……そのまま抜いていった。

抜かれたときに、女が通ってった右側の腕と頬にざわ~っと鳥肌がたったよ。

それでも、はぁ助かった…と思って立ち止まって息を付いて……息が止まった。

女が坂の下に立ってた。最初と同じく、背をこっちに向けて。首は普通に戻ってた。

まさか……そう思った通り、また女の首がガクッと倒れてこっちに向かって歩いてきた。

725 :坂道で。(3/3):2001/05/02(水) 20:06

冗談じゃねーよと思って、俺は回れ右して今度は坂を駆け昇った。

さすがにさっきよりペースダウンしてて、これじゃ簡単に追いつかれちまうって思ったんだけど、

今度はなかなか来ない。足音はするんだけど。

あと坂の出口まで10m位まで来て、今度は平気か?と思った直後、女は俺を追い抜いていった。

上を見ると案の定、女は頂上で背を向けて待っていた。

仕方なく俺は背を向けて坂を駆け下り……ってのを二往復して、さすがにへとへとになった俺は強硬手段に出た。

塀を乗り越えて土手に降りたのよ。今思えば最初からこうしときゃよかったかも。

勢い余って5m位滑り落ちたけどなんとか持ちこたえて。

坂まで戻って怖々塀から覗いてみたけど、女はいなくなってた。

でもなんか道に戻るのがイヤで、土手沿いに歩いて帰ったけど。

今でもちょっと坂道はやだね。

坂道全力疾走したのなんて後にも先にもこれだけだよ。

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