不可解な体験、謎な話 『借金の取り立て』 - 洒落怖本舗

不可解な体験、謎な話 『借金の取り立て』

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463 :1/2:2012/03/30(金) 14:50:54.48 ID:MNudD0EE0

大学で知り合ったA(女)から聞いた話。

その家は母親:働き者、父親:体も気も弱い人、娘:A(当時幼女)の三人暮らしだった。

小さくて古いながらも庭付き一軒家。

しかし、父親が知人にだまされて借金の保証人にされてドロンされ、結構な額の借金を背負わされることになった。

母親は過労も重なって入院。

借金の取り立てが来るが、

父親は見るからにひ弱で、タコ部屋に入れたって使い物にならないのが判りきっているし、脅そうが怒鳴ろうが意味がない。

入院している母親は勤め先ががっちり守っている。

Aは幼いから風俗で働かせるわけにもいかず、頭を抱えてしまったらしい。家売ったって大した額にもならないし。

しかし、取り立ての仕事はしないといけないから、「てめぇ!真面目に働けよ!」とかお説教モードになってしまう。

464 :2/2:2012/03/30(金) 14:51:45.05 ID:MNudD0EE0

その日は取り立ての兄貴分も一緒に来た。

舎弟がいつものごとく「人間真面目に働けばな!」と労働を促している脇で、

兄貴分が犬のぬいぐるみを抱きしめて、黙って座っているAをじっと見てから、

「その子、ちょっと貸してくれないか」と話しかけた。

Aは黙ったままうつむいたけど、

兄貴分に「絶対に酷いことはしない。約束する。ちょっとだけ貸してくれないか」と頼まれ、差し出した。

すると兄貴分は、自分の鼻とぬいぐるみの鼻をくっつけて何秒かしてから、「ありがとう」と返してくれた。

そして父親に「シャベルねぇか」と話しかけ、無いと言われると、舎弟を事務所に行かせてシャベルを持ってこさせ、

父親に「庭のな、ここを掘れ。おまえん家なんだから、俺たちが掘るわけにゃいかねぇから」と命令した。

十回くらい掘ったら、アタッシュケースが出てきた。

開けてみると、昔の一万円札の束がぎっしり。

借金はその半分以下で間に合ったため、

「どうせこれ埋めた奴は取りに来ねぇよ。

 それでも心配なら、来た奴にこの名刺見せて『こっちに行ってくれ』っつって構わねぇから」

と、事務所の名刺を渡した。

そしてAに、「友達は大切にな」と言って帰って行った。

どう考えても、大金の場所をぬいぐるみから聞いたんだよね…。

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