後味の悪い話 『資金繰り』 - 洒落怖本舗

後味の悪い話 『資金繰り』

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619 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/11/07 19:49

僕の家は自営で町工場をやっています。

父が創業者で、2年前に長男の僕が後を継ぐということで入りました。

それは去年の春先のこと。毎晩毎晩父と母が資金繰りのことで喧嘩をしていました。

吹けば飛ぶような町工場ですから、いままで潰れずに続いていたのが不思議なくらいです。

僕はここ数ヶ月、頭痛と下痢に悩まされてしました。

それは会社の経営が行き詰まっているため、精神的なものだと思っていました。

ある日、飲み会があり、家に帰るのが夜中になってしまいました。

腹ごしらえも済ませてしまったので、その時残っていた僕の分の夕飯を飼っている犬に与えたところ、食べようとしません。

小犬が食べようと近づくと、親犬が食べさせようとしません。

おかしいなと思いましたが、酔っ払っていたのでそのまま寝てしまいました。

3月末の決算が近づき、書類に目を通していると、

前年度の5月から会社が僕にかけている生命保険の掛け金が、べらぼうに高くなっている事を発見しました。

その時もそのまま確かめずに、決算書に素直に記載しました。

親と同居だったのですが、8月からアパート住まいをはじめました。

そしたら、頭痛と下痢がうそのように治ってしまいました。

気分もさわやかになり、がんばって営業も精力的に回り、年の暮れあたりからIT関連の部品加工が伸びてきました。

おかげさまで借金も減り、明るい展望が見えてきたのです。

いま、今年9月の仮決算の書類の最終結果を眺めていますが、保険掛金は以前の額に戻っています。

あの頃、両親は僕を殺そうとしていたのでしょうか。

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