ほんのりと怖い話 『死んだ奥さんが使っていた箪笥』 - 洒落怖本舗

ほんのりと怖い話 『死んだ奥さんが使っていた箪笥』

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74 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :04/05/27 17:56 ID:NXpVgDtb

かなりほんのり。高校時代の英語教師に聞いた話。

判りやすい授業と淡々としたユーモアが売りで、

生徒と余り馴れ合う事はないけれど、中々人気のある先生でした。

昔奥さんが死んだ時、

(話の枕がこれだったので、そんな事実初耳だった我々は、その時点で相当びびり気味だったのですが)

彼はよく不思議な幻を見たそうです。

それは、もう使う人のない奥さん用の箪笥の引き出しが開き、

そこから奥さんが頭半分を出して、ベッドに寝ている先生を見ているというものでした。

彼は「ああ、家族の死で私は精神的に不安定になっているのだな」と病院へ行き、

精神科などに相談し薬などを出してもらい、なるべく疲れないよう、ストレスをためない様にしてみましたが、

奥さんは相変わらず夜になると箪笥の引き出しに姿を現し、微妙なポージングで彼を見ていたそうです。

精神的なものでないのなら、現実に起こっている事だと判断した先生。

ある時その箪笥の引き出しに体を入れ、

全身でがたがた揺すりながら、長い時間をかけて引き出しを閉めてしまったそうです。

そこで長い事待っていると、「あら」とかなんとか、奥さんの声がしたそうです。

思えばリアクションを用意していた訳ではない先生。

(「冷静なつもりが矢張動揺していたんですね」とか言ってました)

困っていると、奥さんが「あなたは太っているから、ここじゃ無理よ」等と言い、

先生もそうだなあと思い、またがたがたやって出たそうです。

 

因にその箪笥はまだ先生のうちにあり、

疲れた時などに、奥さんが登場しているのが寝入りばな見えるとの事でした。

『いい話』ではなく『ほんのり』にしたのは、この話の締めとして、

「私は大丈夫だったけれど、気弱な人だったら、

 引き出しに入ったまま死んでもいい、と思ってしまうかもしれない居心地の良さでした」

と淡々と語っていました……。

更に、まだ箪笥をお持ちという事が自分的にほんのり。

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