437 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :01/09/30 22:17
私が大学生のとき住んでいた部屋、雰囲気が妙に悪かった。
日当たりは悪くないのに、何処となく薄暗いような気がする。
いつもジメジメしていて…なんとなく気分が鬱になるような。
当時は建物が安普請だからかなあ…と思っていたのだけれど……。
同じ敷地内に住んでいる大家さんの息子さんは、心を酷く病んでいる人だった。極度の妄想癖と病的な躁状態。
彼は僕が入居してから半年後に精神病院に入院。
さらに一年後退院されたときには、見違えるほど回復していた。
すっかり常識人みたいな物腰、話すこともまともだし、15歳は若返ったみたい…。
他人事ながら、良かったなあと思っていた。
…ところが恐ろしいことに、たった2日ほどでもとの木阿弥になってしまった。
薬が切れたから…?それにしても酷い変わりようだった。
彼は合い鍵を持っていたので、少し身の危険を感じないこともなかった。
夜中、突然ドアを開けて入ってくることがあったので。
(…彼の『発明』についての話を、長々と聞かされたりするのです…)
さっさと引っ越せば良かったのに、
入居しているときは何故かそこを離れてはいけない理由をいろいろ思いついて、なかなか転居することができなかった。
今思うと不思議なのだけれど…。
結局、2年半そこに住み続けた。
路地の奥まった場所、行き止まり。
生い茂る緑に建物はほとんど隠されていて、通行人からはほとんど見えない白い木造建築。
友人以外の不意の来客、セールスなどは、ただの一度も訪ねてくることが無かったです。
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