ほんのりと怖い話 『半透明のうさぎ』 - 洒落怖本舗

ほんのりと怖い話 『半透明のうさぎ』

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457 :本当にあった怖い名無し:2011/05/07(土) 12:58:54.18 ID:zR8055OK0

去年の夏、飲み会の帰りに、大きい半透明のうさぎ(柴犬くらい)が、私を追い抜いてピョンピョン跳ねていった。

酔ってたからか怖くはなく、

「あれーもしかして不思議の国のアリス的な?うふふ、うさぎさん待って~」

とか、むしろワクワクしながらアホみたいに追いかけていった。

そしたら、私が住んでるアパートの部屋のドアをすり抜けて入って行った。

慌てて鍵を開けて入ろうとしたら、あれ?鍵開いてる。閉め忘れたか?

とりあえず中に入ると、リビングでうさぎがこっち振り返ってる。

私が部屋に入ったのを確認して、今度は押し入れの襖の中に消えていった。

襖を開けるとうさぎはいなかった。

かわりに、見知らぬ男性が汗だくで寝ていたというか気絶していた。

気が動転して隣の部屋の女性に助けを求めて、要領を得ないながらもうさぎのことも含めて何とか説明した。

女性が警察やら救急車やら手配してくれて、警察に事情を聞かれる前に、

「うさぎのことは言わない方がいいかも」と言ってくれた。

警察には、家に帰ったら鍵が開いてて、押し入れに知らない男の人がいた、とだけ言った。

後日、警察の人が、あの男の人は私が仕事から帰る時間を以前からチェックしていて、

その少し前に鍵を壊して部屋に忍び込み、押し入れに隠れていたが、熱中症になって気を失っていた。

救急車を呼ぶのがもう少し遅かったら命に関わっていたかも、と教えてくれた。

やっぱり怖いので、実家に戻って暮らすことにした。会社からは遠くなったけど。

あの日、私が帰るのが遅れて、男性が亡くなっていたらもっと厄介なことになってたかも。

大きなうさぎはそれを教えてくれたのかわからないけど、それから一度も見ていない。

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