百物語 『神社で校外写生』 - 洒落怖本舗

百物語 『神社で校外写生』

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537 :うどん:2000/07/02(日) 00:59

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Oさんが小学校2年生の時のこと。

図工の授業で、近くの神社に校外写生にいった。

時間が始まりOさんは写生をはじめた。

そこで不思議なことが起こった。

ほんの一瞬後、先生が時間のおわりを告げた。

さらに不思議なことに、Oさんの画用紙にはちゃんとお社の絵ができ上がっていた。

Oさんは混乱しながらも、その絵をよく見ないまま提出したそうだ。

Oさんは「われを忘れて描いてたんやろ」程度で、あまり深く考えなかった。

学期末、Oさんの絵だけ返って来なかった。

しかし、あまり物事にこだわらないOさんは、その絵のことをすっかり忘れてしまったそうだ。

そのうち学年も変わってしまい、担任だった先生も転勤になってしまった…。

…Oさんが六年生になり、卒業もまじかになった頃。

それは卒業式の三日前、全校で大掃除に当てられた日のことだった。

Oさんのクラスの扉に2年生の女の子が立って、Oさんの名を呼ぶ。

先生の机の奥から古い絵が出てきたという。

それは、あの神社の絵だった。

その絵をよく見て、Oさんは不思議な気持ちになったそうだ。

そこには近くの神社の小さいお社が、拙いながらも一生懸命な筆致で描かれており、

なかなか写実的な絵に仕上がっていたという。

ある一点をのぞいては…。

それは、お社の屋根の上に、透きとおるような青い絵の具で、

きれいな女のひとの顔が、 お社よりも大きいくらいに描いてあったことである。

このお話にはよくわからないことがいっぱいありますが、それよりも話の最後に、

「あれは、神さんの顔や あんときの俺には見えてたんやろ」と言い切ったOさんの顔が妙に印象的で、

それ以上、追究するつもりになりませんでした。

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