ほんのりと怖い話 『灯台守』

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234 :固定特異点 :01/08/30 18:45 ID:3zg0npmQ

むかし読んだ本に紹介されていた話です。

時代は20世紀の初頭、

場所はアメリカの東海岸北部のある町(ニューヨーク州とかメイン州のあたり?)で起こった出来事だそうです。(うろ覚え)

以下、直接話法で。

その町の海岸には険しい崖が多く、漁船の事故が頻発していた。

そこで、町の人々は州知事に請願を出し、海岸沖にある小島に灯台を建てて貰う。

2人の男が灯台守として派遣され、3日に一回のペースで交代しながら灯台を管理することになった。

235 :つづき :01/08/30 18:54 ID:3zg0npmQ

交代の日が来ると、一方の灯台守が灯台のある小島までボートを漕いで行き、

もう一方がそのボートを漕いで本土に戻るわけである。

小島には非常時のための予備のボート、一か月分の食料などが用意されていた。

236 :つづき :01/08/30 18:58 ID:3zg0npmQ

お蔭で海難事故もめっきりと減り、地元の人々も一安心していたある日のこと、

この地方特有の大嵐が前触れもなく町を襲った。

嵐は一週間にわたって猛威を振るい、農作物を中心に多大の被害をもたらした。

当然、灯台守の交代など不可能であった。

大嵐の中、ただでさえ崖やら暗礁やらでいっぱいの海をボートで渡れるはずもない。

237 :つづき :01/08/30 19:03 ID:3zg0npmQ

ようやく天候が回復し、灯台守Aは大急ぎでボートを漕いで小島に渡った。

はやく相棒の灯台守Bを休ませてやりたい・・・。

ところが、小島に着いても相棒の姿はどこにもない。

それどころか、灯台の荒れようが尋常ではない。

238 :つづき :01/08/30 19:09 ID:3zg0npmQ

嵐の被害ではない。

雨風が吹き込まないはずの屋内の荒れようが酷い。

机や椅子などの燃えるものは全て無くなり、それどころか床板まで剥がされている。

地下室の非常食は全て食い尽くされており、非常用ボートも消えていた。

一体なにが・・・?とそのとき、暖炉の上に置かれた業務日誌が灯台守Aの目に飛び込んできた。

そこには、びっしりと全ページにわたって相棒Bの手記が記されていた。

241 :つづき :01/08/30 19:16 ID:3zg0npmQ

○月△日

今日も嵐。いつになったら静まるのか。

・・・・・・

□月*日

すでに2ヶ月以上も嵐が続いている。

食料が尽きて久しい。

この風雨では海に出て魚を捕まえることも適わない。

・・・・・・

□月☆日

体力の限界を感じる。

なぜ救助が来ないのか?

ひょっとして俺を残して全世界が消え去ったのか?

・・・・・・

▽月◎日

嵐がようやく和らいだ。

外に出ても一面の霧で様子がわからない。

が、今を逃すと一生脱出できないかもしれない。

いちかばちか、この島を出ることにする。

242 :おしまい! :01/08/30 19:20 ID:3zg0npmQ

最後の方はインクが切れたのか、血らしきもので記されていた。

当然ながらそれ以後、Bの姿を見たものは誰もいない。

死体もボートの残骸も、何も見つかっていない。

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