百物語 『病院の喫煙コーナー』 - 洒落怖本舗

百物語 『病院の喫煙コーナー』

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15 :名無しさん:2000/06/16(金) 22:08
12話目
父が交通事故で入院していたときの話。

喫煙コーナーに行く人の中に、せわしない歩き方をする人がいたそうです。
病室の前をぱたぱたぱた、とスリッパの音が通り過ぎると、
ああ、あの人がタバコを吸いに行ったんだな、とわかるのでした。

その人が無事に退院したその夜のこと。
病室の前をぱたぱたぱた、と通り過ぎるスリッパの音がしました。
喫煙仲間の同室の人が、タバコを持ってドアを開けると、怪訝な顔で父を振り返ったそうです。
「誰もいない……」
ああ、あの人はまだここにいるつもりなんだなあ、と父は思ったそうです。

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