ほんのりと怖い話 『赤いサイフ』 - 洒落怖本舗

ほんのりと怖い話 『赤いサイフ』

スポンサーリンク
スポンサーリンク

488 :488:2012/01/17(火) 03:44:28.57 ID:oEIUgkkN0

これは7年ぐらい前の話です。

高校卒業後、就職して初めての一人暮らし。

実家から徒歩30分程度の所で、まったく土地勘がない場所じゃなかった。

一人暮らしを始めて三ヶ月ぐらいした時、

会社から家への帰り道、毎日夕方6時頃いつも通る公園の横を歩いてると、

なにげにフッっと公園と道路の溝に目がいって、見てみると赤いサイフが落ちてたのよ。

ん?っと思ってサイフを拾ってみると重い!

カード類が5~6枚入っていて、千円札が2枚ぐらいと、あとは小銭がギッシリだった。

直感で女性のサイフって分かった。

一瞬ネコババしようと思ったけど、

当時、俺には女友達がまったくいなかったので、

これをキッカケに女友達が出来るかも!?って思って、近くの交番に届けた。

警察官から色々聞かれて、紛失届書?みたいなもんに記入したりして、1時間ぐらいかかったかな?

警察「その書類はそちらで保管しててください。落とし主が現れた場合に必要な書類なので。

 では、落とし主が現れたらこちらから連絡しますので」

俺「はい」

どんな人かなぁ~。なんて想像しながら家に着いた。

時計を見ると夜の9時。

風呂でも入って寝るか…っと思っていた時、

ピンポーン・ピンポーン・ピンポーン

おいおい3回も押すなよ…

こんな時間に誰だと思って玄関を開けると、

そこには冬場なのに赤い超ミニスカでキャミソールの美人が!

489 :488:2012/01/17(火) 03:45:45.44 ID:oEIUgkkN0

俺「…どちら様で?」

女「…すいません(←めっちゃ小声で)。サイフを落とした者なんですけど…」

俺「あっ!はいはいはいはい♪」

おいおい…いきなりかよ!しかも美人!

女「あの…紛失届の書類を貰いに来ました(←超小声)」

俺「あっはいはい♪ちょっと待っててください!」

急いで紛失届書を取りに部屋に戻って、玄関に行こうとしたら真後ろに女が立ってた!

え!?まさか…ヤレル?なんて思ってたら、女が顔をツゥーーーっと近づけてきて、

「やさしいんですね(←聞き取れなかったけど、たぶんあってる)」

と言って、ニヤァ~って笑った。

笑った口には歯が一本もなく不気味だった。

一瞬、不気味さと恐怖で意識を失いそうになった。

俺「と…当然ですよ…」

女は顔を近づけたままニヤァ~っと笑っている。

俺「あの・・・もう夜も遅いですし・・・(←震える声で)」

なおも女は顔を近づけて、

女「親切な人っているんですねぇ(←ここはハッキリと)」ニヤァ~

そう言って女は帰って行った・・・。

490 :488:2012/01/17(火) 03:46:29.55 ID:oEIUgkkN0

その日は怖くて実家に帰って寝た。

一人でいるのが怖かった。

それから三日後ぐらいに、フッっと警察の人が言ってた言葉を思い出した。

『落とし主が現れたら連絡しますので』

そういえば警察から一度も連絡がなかった。

怖いけど気になったので、会社の帰りにサイフを届けた交番に行ってみた。

すると同じ警察官で、俺の事を覚えていたらしく、

警察「まだ落とし主現れてないんだよね」

…え?サイフを届けた日に家に来たんだけど?なんて言えなかった。

おかしい…警察に行かないで何で俺の家が分かったんだ?

後をつけられた?それしか考えられない。

考えれば考えるほど怖いので忘れる事にした。

それからちょうど1年後、恐怖を忘れかけてた頃、

いつものように帰り道の公園を歩いていると、電信柱に人影が。ん!?

赤いミニスカにキャミソール姿の女がいた。

紛れもなくあの女が…

サイフを拾った場所を電信柱の影からジーーーーっと見ていた。

それ以来、その公園を通る事はなかった。

今でも赤いミニスカを見ると、あの時の恐怖を思い出す。

コメント

タイトルとURLをコピーしました