死ぬ程洒落にならない怖い話 『自称霊が見えるDQNな友人』 - 洒落怖本舗

死ぬ程洒落にならない怖い話 『自称霊が見えるDQNな友人』

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244 :本当にあった怖い名無し:2015/03/26(木) 01:08:52.28 ID:CHA83fyjX
当時高校生だった頃の話。

私には自称霊が見えるDQNな友人Yがいました。
Yは虚言癖があり、素行が悪かったのですが、
性格が底抜けに明るく、遠方にも友人が多かったので、
田舎者で親が厳しい私は、話を聞いたりするのが楽しみでほとんど毎日一緒に居ました。

そんなYが、ある飲み会で知り合ったSと言う男性に恋をしたと話すようになりました。
Sさんも霊感があるらしく意気投合したそうです。
そのSさんは霊が居るところでは右目だけから涙が出たり、
7歳ころからずっと部屋の窓際に後姿の女性の霊が居る、という話を聞かされていました。
正直霊など見たことも感じたことも無いので聞き流していました。

ある晩にYから「Sさんとドライブに行くから一緒に行かんね?」と誘われました。
親が厳しく夜間の外出ができない家庭でしたが、Yの恋する相手を一目見たくて一緒に行くことにしました。
Sさんは所謂好青年な感じの男性で、DQN好きなYのタイプとは正反対の方でした。
行先も決めずにブラブラする感じのドライブでしたが、
楽しそうに話すYを余所にSさんは、しきりに「あれ?あれ?」を小声で連呼していました。
あまり遅くまで出歩くと親にバレそうで怖かったので、早々と私は家に帰していただきました。

それから数日後に見知らぬ番号から着信がありました。
出てみるとSさんで、『急にごめんけど、確認したいことがあるから会えない?』とのことでした。

245 :本当にあった怖い名無し:2015/03/26(木) 01:51:09.61 ID:CHA83fyjX
Sさんと合流し、またブラブラとドライブしたのですが、
一向に会話が無く、何を確認したいんだと不思議に思っていると、
急に「やっぱり!」と大きな声で笑い出しました。
突然のことに驚いていると、Sさんから、
「この前のドライブの時に、A(私)が乗ってる時だけ霊が見えなくなってて、涙も出なかったわけ。
 でもA降ろしたらまた見え始めたから、もしかしてと思って今日確認しに来たんだけど、やっぱり見えない!」
と伝えられました。
そしてSさんは、いつも仕事や出先でよく通る道や建物に怖い奴が居るので、
時間が合うならボディーガードとして付いてきて来てほしい、バイト代は出すとのことを打診してきました。
Yには申し訳なかったのですが、バイト代という単語に目がくらみOKしました。
それからというもの色んなところに駆り出され、いつしか周りからはSさんの彼女だと勘違いされるようになっていました。

そんなある晩、自室で電気もつけずに携帯をいじっていたら、
カーテンだけで仕切っている隣の姉の部屋で、姉がゴソゴソ何かを探しているシルエットが映りました。
あまりにも必死に探しているように見えたので、カーテンをちょっと捲って「何探してんの?」と聞くと、
姉の部屋には誰もいませんでした。
確かに何の物音もしなかったし、見間違え?と半ば自分に言い聞かせるようにまた携帯をいじりました。
するとすぐに、姉の部屋に誰かが入ってきたシルエットが映りました。
今度は見間違いじゃない!!
そう確信して、「姉でありますように」と祈りながら恐る恐るカーテンを捲ると、また誰もいませんでした。
その瞬間両足首に強烈な痛みが走りました。
「!!!!」
声も出ないくらい痛く涙が溢れてきました。

246 :本当にあった怖い名無し:2015/03/26(木) 01:52:06.35 ID:CHA83fyjX
するとSさんから着信が入り、助けを乞うために電話に出ました。
用件を聞く前に泣きながら「助けて下さい・・足痛いー」と伝えると、
『A落ち着いて聞いて。俺の部屋に女の霊が居るってきいたことあるよね?』と話し始めました。
「はい。・・ていうか痛いってば・・」と助けを求めてる私に、
『そいつが今日帰ったら居ないわけ。もしかしたら・・Aのところに行ってる・・・』と追い打ちをかけてきました。
痛みと恐怖で息もできないくらい泣いていると、
『もうすぐ着くから外に来て』と言って電話を切られました。
這うように何とか外に出るとSさんが到着し、
「俺が浮かれて一緒に居すぎてAに嫉妬したのかも・・・。ほんとにごめん!!連れて帰るから!」と塩を渡されました。
Sさんが帰ると同時に足の痛みも消え、すぐさま部屋に塩をまき散らしました。
それからSさんとは二度と連絡を取るまいと、着信もメールも拒否しました。

Yにはバイトの事情も話していたので、Sさんのことは咎められませんでした。
それ以前に、Sさんと会うたびに夜中に外から呼ばれたり、霊媒師だった祖母の遺影を倒されたりと不吉なことが続くから、
「自分も会いたくなかったんだよね~」と笑ってました。

もう何年も前の話ですが、Sさんにはまだ女の霊が付き添ってるのか、結婚できるのか、
他人ごとながら時折思い出しては心配です。

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