死ぬ程洒落にならない怖い話 『最も古い記憶』 - 洒落怖本舗

死ぬ程洒落にならない怖い話 『最も古い記憶』

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166 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/08/20 04:54

人間、大抵5歳くらいまで、自分が生まれてきたときのことを記憶しているそうだ。

しかし年を重ね、記憶の彼方に追いやられるらしい。

私が年の離れた妹が4才の時に、「生まれてきたとき、どうだった?」と訊いたところ、

「がんばってでてきたんだよ」と教えてくれたことがある

それは怖くないが、いまの私の意識にのぼる、最も古い記憶を話してみる。

167 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/08/20 05:05

私はまだことばを得ていない。

両親と手をつなぎ、はしゃいで歩いている。

愛情を感じている。

マンションの廊下を3人で歩いている。

世界はオレンジ色に光っている。夕方だろうか。

頭上のドアノブがガチャリと鳴る。

おおきなドアが開く。同時に私がかけ込む。

玄関から廊下がはしり、リビングに通じている。

私はリビングの突き当たりを見やる。

オレンジ色に輝く、とても懐かしい、暖かい、愛しいものが見える。

嬉しくなる。言葉にならない暖かさがこみあげる。

私はそれに飛びついた。

とても懐かしく、うれしかった。

そこで記憶は途絶える。

168 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/08/20 05:10

親は次のように語る。

「おまえ、小さいとき、家に帰ってきたらョ、いきなり凄い勢いでかけ出して、

 リビングからベランダにでる、玄関から突き当りの窓ガラスに飛びこんだんだよ。

 ガラスはメチャクチャに割れて、しこたま驚いたぞ。

 幸いカーテンがうまくオマエをくるんで、傷ひとつなかった。

 おまえ、ありゃ一体なんだったんだ?」

私にもわからない。

でも、そこには大切ななにかがあった。

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