ほんのりと怖い話 『T先輩の部屋』 - 洒落怖本舗

ほんのりと怖い話 『T先輩の部屋』

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456 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :2001/07/17(火) 23:45

高校時代、先輩と8ミリ映画をよく作っていた。

僕以外はみんな1年先輩の仲間だったが、映画のこと以外でもよく一緒に遊んでいた。

みんなで撮影したフィルムが現像からあがってきて、T先輩の家でアフレコをすることになった。

T先輩の部屋は二部屋ぶち抜きになっていて広く、フィルムを映写しやすいのと、人がたくさん入れるからだ。

しかし、その先輩の家はユーレイが出るということが常々話の種になっていた。

ウワサではなく、住んでいる本人からもいつも聞かされていたのである。

「階段の上をふっと見るとさ、人が通るんだよ。廊下なんてないのにさ」

「この部屋泊まるだろ?ザコ寝してるとさ、誰かが邪魔なんだよ。

 まったくよ~と思って起きると、近くに寝てるヤツなんていないの」

そんな話ばっかりなのである。

その部屋に映写機などの機材をセッティングし、すべてが整って、さあ始めようという時。

映写機が動かない。ウンともスンとも言わない。

「おっかしいなあ、持ってくる前は大丈夫だったのに・・・」

どうにかしようと色々試したが、一向に動く気配がない。原因不明である。

あとで診てもらうことにし、その日の作業は中止になってしまった。

それから持ち主の先輩が家に持ち帰ると、何事もなかったように動いたのだった。

「やっぱり・・。ユーレイに邪魔されたんじゃないか?」

そう言ってかたづけるしかなかった。

そのT先輩がとうとう引っ越す事になった。

「なんで?やっぱりユーレイがいやで?」

「そう!もうだめだっていう事があった。

 俺の部屋はね、人が入って来るの。3人。女の人。

 寝てるとさ、一人づつ部屋に入ってきて、俺の耳元で何かボソボソ言ってから、こたつの方に行って座る。

 3人がみんなボソボソ何か言うんだよ。そしてみんなコタツのところに座るの。

 いっつもだからさあ、半分慣れたっていうか、そんな感じだったんだけど、

 あるとき、何言ってるかはっきり聞こえたんだ。

 Tさん・・・どこか連れてって・・・ってよう、そう言ったんだよ。もうダメさあ!」

その後その家はどうなったかは知らないが、自分の名前言われるとそりゃ怖い・・・。

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