百物語 『ナイトハイク』 - 洒落怖本舗

百物語 『ナイトハイク』

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25 :うむ。:2000/08/13(日) 11:48

山キャンプの話、二つ目。

高校生のグループと一緒にナイトハイクに出かけました。私と、もう一人別のリーダーのグループも一緒でした。

星を見たり、わざと明かりをつけずに歩いたりとしているうち、湧き水の所まで行きました。

もう一人のリーダーが気を利かせてキャンディをみんなに配りました。でも、1個足りません。

「14人のはずだけど。誰か1個余分にとってない?」

「えっ一人多いの?」

「お前、誰だ!?」

と、みんな面白がって収拾がつきません。

「全員その場を動くな!人数を数える!」

私も冗談めかして言いました。

向かって左からあだ名(キャンプ中のコードネーム)を呼んでいきます。

「ジャック、ポカリ、マーブル、・・・サスケ、」

9人目まで呼んで次の一人を指差そうとした時、みんながわぁっと逃げ出しました。私も遅れてダッシュ。

キャンプ場に戻って点呼をとると、人数は元通りに。

みんな口をそろえて言うのは、

「顔が分からなかった」

みんな月明かりで誰だか分かったのに、そいつだけ分からなかった。

とにかく10人目を見た瞬間、その場から逃げ出したくなったのです。私も含めて。

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