ほんのりと怖い話 『地下鉄工事』 - 洒落怖本舗

ほんのりと怖い話 『地下鉄工事』

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660 :その1 :03/06/20 09:18

建築現場話なんだけど・・・

俺の勤める会社が地下鉄工事を請け負った。

工事が始まって直ぐに・・・出て来る出て来る、もう人骨だらけ!

ニュースにもなって、工事は一時中断して調査が始まったんだけど。

工事をしている場所は、戦前お寺ばかりで墓がそこらじゅうにあったらしい。

まあ、数週間後に工事が再開されたんだけど・・・。

再開されてしばらくすると、先輩が土留めの方に向かってブツブツ。

気になって後から声を掛けてもブツブツ言ってるわけ。

俺は霊感なんてまるでないし、パシリ同然だし全く何も感じない。

で、後から先輩の肩を叩いたんだよ。

すると・・・先輩が急に我に返ったみたいで、

「T(俺)!お前、子供見なかったか?」とか言って真っ青になってるわけ。

俺は冗談半分で、「見てないですよ、幽霊見たんすかね!」。

そんな冗談も最初のうちだけで、職員のほとんどが経験するようになって、ちょっと大きな事故が起きた・・・

661 :その2 :03/06/20 09:36

鉄筋工事を請け負う会社の職人が、スタンション(道路に開口部を作る資材)で開口部を作り、

35m下に資材を下ろす作業をしていた。

鋼管で周りを囲い、まさか・・・と思われるくらいの設備にはなっていた。

その鋼管の一本が何故か外れて落下!

下で作業をしていた作業員に直撃したんだ。

外傷は全く見当たらないのだけど、ヘルメットは飛ばされていて変形していた。

慌てて救急車で病院に運び、俺も鉄筋工の世話役と一緒に同乗してた。

病院に着いて、医師の診察では、

「手の施しようが無い・・・この子ドナーカード持ってるね・・・」



俺は慌てて親族に連絡を取るんだけど、なかなか連絡が付かない。

で、医師は話を続けるわけよ。

「一刻も早く親族に連絡すれば、この子は他に命を支える事が出来る」



俺は気が付いて、病院を移す事にしたんだ。

救急車で今度は大学病院に連れて行った。

するとちょうど、何でもその病院では偉い医師が居てくれていて、診察をしてくれた。

「あ・・・あ・・・ただの脳震盪ね、直ぐに目を覚ますから心配ないよ」

もし・・・最初の病院で脳死なんて診断されたら・・・。

そりゃ、幾度も検査をしてからの事だろうけど、病院の中の事なんて闇と同然と聞くし。

まさか・・・そんな事はない!なんて考えてるけどね。

その事件の後、俺と先輩一人が移動になった。

662 :その3 :03/06/20 09:58

移動した先は、私鉄の高架橋の現場だった。

駅の近くの現場は、朝夕の通勤時間帯は結構女子高生の視線を感じたし、

現場から覗き上げるホームは、色とりどりのパン2が咲き乱れていた。

先輩と朝早く、線路のたわみを測量をしていた時だった。

電車に人が飛び込んだ!・・・らしい?

もう目と鼻の先!・・・らしい?

先輩は失禁して、その場で腰を抜かした。

俺は事故自体は背中に感じるだけで、鈍感丸出しだった。

所長に呼ばれて、駅員さんと合同で死体の回収命じられて・・・。

後で、先輩の覗いていたレベル(水準器)を片付けようと覗くと、

ちょうど死体が置いてあった場所にレベルがあっていた。

先輩は2週間仕事に出てこなくなり、1年過ぎた先月退職した。

最後に俺に残した言葉は、

「俺が現場(地下鉄)から連れてきちまったんだな・・・そいつが多分引っ張ったんだ!」

俺はその言葉にピンと来なかったけど、先輩は地下鉄の事が気になっていたみたいだ。

現場の寮でも信心深く、数珠を放さないようになっていたし・・・。

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