ほんのりと怖い話 『紺色の袈裟』 - 洒落怖本舗

ほんのりと怖い話 『紺色の袈裟』

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504 :本当にあった怖い名無し:2008/12/19(金) 20:55:28 ID:o9wUpYAF0

まだ私が小学生だった頃の母の話。

夢の中で美しい河原を歩いてたそう。

そしたら母を迎えるように綺麗な女の人がいて、「よく来たね~よく来たね~」と、とても歓迎してくれた。

その人の神々しいくらいの美しさと、自分を包み込む幸福感に我を忘れそうになった時、

その人が母のつけてる青いブローチに気付いて、さっきまでとは豹変した恐ろしい形相で、

「何でそんな物をつけてるの!それを外しなさい!早く外してこっちによこしなさい!」と迫った。

母がその異常な勢いに恐ろしくなったところで目が覚めた。

実はその夢を見る前に一度目が覚めた母は、その前に見た怖い夢(内容は憶えてない)に怯えたそうだ。

で、その当時通ってた霊能者(?)から貰った、

『袈裟』と母は言ってたけど、紺色のたすきみたいなものを、魔除けとして枕元に置いて寝たと。

翌朝、その話をしてくれた母は、

「あのブローチは袈裟だったのかな。もしあれを枕元に置いてなかったら、連れて行かれたんだろうか?」

と、びびってた。

私もびびった。母のうなされる声を聞いてたし。

505 :本当にあった怖い名無し:2008/12/19(金) 20:56:11 ID:o9wUpYAF0

そして後日談。

その霊能者の所には、母が知り合いの人に紹介してもらって行ったらしい。

今考えると、ちょうどその頃、兄が良くない友達と付き合っておかしくなってたから、母はそれで悩んでたんだろうと思う。

私も母と行ったけど、果物とお菓子と多分お布施の封筒をお供えして、

20人くらいの信徒とお経っぽいものを唱えたのを憶えてる。

ところが、その夢の事があってからしばらくの間、

何なかんだと用事があって、まるで何かに邪魔されるかのように、その霊能者の所に行けなかった。

それどころか、紹介してくれた人とも連絡がとれなくなった。

ようやく母が都合をつけて行ったとき、その場に何か異様な雰囲気が立ち込めていた上に、

母に向けられた皆の目がどこか虚ろだった。

入るのを躊躇した一瞬、祭壇に供えられてる不自然な形の包みを見た母は、怖くなってそのまま帰ってきたんだと。

見間違いかもしれないし、それが何かは今だにわからないけど、

包みには赤いしみがあって、それを認識したとたん、この場にはいられないと感じたらしい。

後日、ご近所ネットワークで、そこを紹介してくれた人が失踪していたことが伝わってきた。

旦那さんのギャンブルがどんどんエスカレート、借金取りはくるわDVが始まるわで、とうとう逃げたんじゃないかって。

多分、夢の女性は本当は母を守ってくれる存在で、あの霊能者と関わると良くない事を教えてくれた、

というのが真相だったんじゃないかと、今は思っています。

ちなみに兄は現在、普通に会社員で結婚もしてる。

母は今は、「ご先祖様と氏神様を大切にするだけでいい」と言ってますw

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