死ぬ程洒落にならない怖い話 『おかしい経営者』 - 洒落怖本舗

死ぬ程洒落にならない怖い話 『おかしい経営者』

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629 :本当にあった怖い名無し:2010/08/07(土) 19:59:57 ID:2D+X/3e+0

13年前、高校時代の話を書き込みます。

それは初めてのアルバイト先での出来事。当時高校一年生でした。

東京郊外、稲城市にある国道沿いのうどん屋。値段も若干高いが味もよく、店の雰囲気も悪くなかった。

だが、そこの経営者がちょっとオカシかった。

「甘いもの食べると頭が馬鹿になる」

「知り合いに神様がいる」

「刀で斬ろうとしても俺を斬れない。刀が避ける」

「飯は5分で食わないとダメ人間って言われちゃうよ?」

などなど、冗談のような発言を真顔で言う。

知り合いの神様の話しを聞かされた時は、背筋が寒くなった。

40代のいい大人が、真剣に、冷静な顔をしながら、

「神様が来たら、公園の噴水が一斉に噴出した。あの方は本当に凄い」だと。

目はすわってるし、チラリとも笑わない。

16歳ながら、あぁこの人ヤバイなと思った。

適当に話し合わしておかないと何されるか分からない、と思わせる雰囲気。

程なくして、もう少し危険な体験をした。

632 :本当にあった怖い名無し:2010/08/07(土) 20:12:35 ID:2D+X/3e+0

俺が経営者の意にかなった対応をしたためか、ヤツの言動はエスカレートしていったようで。

「気を込めると普通の何倍も力が出る。試してみよう。俺の手を思いっきり握ってみな」

当時俺は、体格も筋力も一般的な男子だった。

腕相撲は強い方だったので、筋力だけは多少強かったと思う。

が、ヤツの腕は、そんな俺の倍はあると思わせるほど太かった。

その頑強な体格の経営者の手を握ると、

コイツ何を思ったか、思いっきりその強靭な握力で俺の手を握り締めてきた。

相変わらず顔は無表情。目は据わってる。

「全然力は入れて無いよ。気の力だけ」と明後日の方向を向きながら呟く。

「いや、凄い痛いです・・・ちょ、痛いです」

表情を変えないままヤツは手を離した。

「神様はもっと凄いよ」

そう言った時も、ヤツは眉ひとつ動かさなかった。

完全にオカシイと思ったが、他のアルバイトの先輩たちは普通の人だったので辞めるに辞められず、

ずるずると続けていた。

634 :本当にあった怖い名無し:2010/08/07(土) 20:27:48 ID:2D+X/3e+0

半年くらいそのバイトを続けていたが、とうとう経営者が日本刀を店に持ってきた。

「これで俺の事を斬っていいよ。斬れないから」

そう言って、日本刀を俺に差し出した。

模造刀かどうか確かめる事も出来なかったので、ちょっと分からないが、曰く本物との事。

「上に構えて、頭の中心を真っ直ぐに斬ろうとしてみて。刀が俺の体を避けていくから」

仕方なしに、俺はその通りに刀を動かした。もちろん、ゆっくり。

何の抵抗もなく頭に触れそうになったので、

「あっ」なんて演技をしつつ、刀を滑らせてヤツの体に当たらないようにした。

「だろ?」

ヤツは初めて少し微笑んだ。もともと嫌なやつでもないし、経営手腕は有る。店は流行っていた。

見た目も普段は普通。清潔だし、髪も短髪。服装も本当に普通。白のポロシャツとか。

誓って実話なので、超常現象は起きていないが、この経営者はマトモじゃなかった。

結局俺は、5、6回ヤツに向かって日本刀を振りかざし、わざと外した。苦痛だった。

しかし、営業時間に、店の裏口の外でアルバイトに日本刀を振らせて、

「な、当たらないだろ?」と、据わった目で無表情に、あさっての方向を見ながら言う経営者が居るだろうか。

居たんだよ。

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