ほんのりと怖い話 『おばあさんからの依頼』 - 洒落怖本舗

ほんのりと怖い話 『おばあさんからの依頼』

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428 :私のパパはお坊さん :2001/07/16(月) 00:58

うちの近所にお墓がある。そこに1人で住んでいるおばあさんが体験した話。

ある夜、そのおばあさんは布団に入って眠っていたが、人の気配を感じて起きたらしい。

だが、そんなことは日常茶飯事なので放っておいてそのまま眠った。

すると、次の日も眠っていると何者かの気配を感じ目が覚める。

その日も『無視して眠ってしまおう』と思ったらしいが、何故かなかなか寝付けない。

何者かが部屋を歩き回る気配がする。おばあさんは目を閉じてやりすごしていた。

何分たっただろうか。その何者かが出て行く気配がした。

こう安眠を邪魔されてはこっちも不愉快だ。

おばあさんは外へ出て行った“それ”を窓から見た。

“それ”は和服姿の若い女性だった。

その女性は墓と墓の間の通路のような所で立ち止まると、ふっとそこへ吸い込まれるように消えていった。

おばあさんは思わず外へ出ると、“それ”が消えていった所に持っていたマッチ棒を刺して目印にした。

429 :私のパパはお坊さん :2001/07/16(月) 01:00

次の日、そのマッチ棒を突き刺した場所をスコップで掘ってみた。

すると、中から古びた骨壷が出てきたのだ。

『誰某何々 享年○○』

そのおばあさんは住職をしているうちの父に連絡し、事情を話しその墓場まですぐに来て欲しいと伝えた。

父は墓場へ行き、何時もより何倍も丁寧に(ワラ お経をあげた。

その日からおばあさんの家には何も現れなかった。

数日後、おばあさんは父にこんなことを言った。

「お陰で私のところにはあの人はやって来ない。

 だからあんたのところに、今日あたりお礼に行くかもしれないよ」

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