死ぬ程洒落にならない怖い話 『巫女のバイトをしていた』 - 洒落怖本舗

死ぬ程洒落にならない怖い話 『巫女のバイトをしていた』

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104 :本当にあった怖い名無し:2008/08/11(月) 04:37:23 ID:53JbK22b0

姉の体験談。

近所の神社が祭りのために臨時で巫女のバイトを募集していた。

姉はそれに応募して、見事採用された。

主な仕事は祭りの時期の接客であったが、祭りのあとも土日だけ働けるようになった。

ある日、姉が境内の掃除をしていると、一人のサラリーマン風の男が声をかけてきた。

どうやら、神主とお話がしたいらしい。

セールスマンかな?と思ったが、とりあえず神主を呼び出した。

神主は境内で立っている彼を人目見て、血相を変えて近づいてきた。

神主が彼に一言耳打ちすると、彼は肩をガクっと落として涙を浮かべた。

男と神主は、姉も入ることを禁じられた(というより、入る用事をうけたことがない)部屋に2人で入った。

数分して、神主がノソっと顔を出して、姉に「日本酒を持ってきてくれ」と言った。

それから小一時間たったであろうか、彼と神主は部屋から出てきた。

彼は神主に何度も何度も礼を言っていた。

彼はお金と生で10万円ほど出して、「気持ちです」と神主に押し付けて帰っていった。

神主はその10万円から数枚の札を姉に渡して、日本酒が足りないからと、「10本ほど頼んでくれ」と姉に言った。

姉は神主の言うとおりに日本酒を頼んだ。

日本酒が届いたあと、神主は先ほどの部屋にいた。

神主は「部屋の前に置いておいてくれ。今日は帰っていい」と言った。

105 :本当にあった怖い名無し:2008/08/11(月) 04:38:14 ID:53JbK22b0

次の週、姉は神主に先週あの後何があったのか聞いた。

要約するとこうだ。

あの男は死神と出会ってしまったようで、近いうちに死ぬと宣告された。

それから、ずっと死神がまとわりついていた。

彼はいくつかの寺や神社を訪れたが、彼の死神を見える人間はいなかった。

お祓いをしてもらってもまるで効果がない、死神は消えない。

そもそも、彼が言い出すまで、彼が死神に憑かれていると気付いた人はいなかった。

しかし、神主は見えたと言う。

ある程度力があればここまで明らかな神は見えて当然らしいが、

最近は力がないのに、寺や神社を継いでいる者も多いと言う。

で、見える神主に除霊、というか死神祓いを頼んだそうだ。

だが、神主も見る力があると言っても、神を祓えるほどの力はない。

だから、彼に清酒をかけ、死神が少しだけ彼から離れた隙に身代わりに憑かせたらしい。

しかし、所詮は身代わり、力を抑え続けないと大変なことになる可能性もある。

そこで、清酒と身代わりを大量に用意し、当面はこれで力を分散させ、対処法を練らねばいけない。

とのことだった。

姉はその時は、怖がらせるつもりかな、程度にしか考えていなかった。

だが、そのあとすぐに事実だと悟るようになる。

ある平日の夕方、神主の奥さんから電話がかかってきた。

神主が亡くなったので、通夜も含めてこれからのことを相談したいの来てほしい、とのこと。

姉はなんだか嫌な予感がしたという。

姉はすぐに神主の家に向かった。

奥さんに何が原因で亡くなったのかなどをやんわり聞くと、死因は不明だそうだ。

ただ、いくつもの酒まみれの紙人形と、数匹のねずみなどの小動物と一緒に、あの部屋で亡くなっていたそうだ・・・

106 :本当にあった怖い名無し:2008/08/11(月) 04:38:54 ID:53JbK22b0

その後、姉はその神社でのバイトを辞めた。

その事件から半年ほどして、奥さんが神主の亡くなった部屋で首吊り自殺した、という話を風の噂で聞いたらしい。

姉は確信した。死神はまだあの神社のどこかにいるのではないか。あの男の人は大丈夫なのか。

そして、あそこで部屋の外とはいえ近くにいた私は、死神に狙われているのではないのかと。

話の最後に姉は、「それからいつもこのお守りを肌身離さず持ってるの」と、3つの身代わりお守りを見せてくれた。

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