後味の悪い話 『移植ドナー』 - 洒落怖本舗

後味の悪い話 『移植ドナー』

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54 :本当にあった怖い名無し:2007/10/14(日) 19:15:42 ID:QbAU9W/g0

今朝の読売新聞でもいいかな。まとめるの下手だけどゴメン

「『手術は成功した』は移植患者の容態だけではなく、ドナーの心身の状態も含めて言って欲しい」

右腰を庇いながら椅子に座る女性Rさん(42才)は言う。

Rさんは胸の間から両腰にかけ、縦20cm、横50cmの大きな手術跡がある。

夫に肝臓の6割を提供した後、腹部に膿がたまり、2週間で退院の予定が3ヶ月に及んだ。

手術後約3年経った今でも傷が痛む。

手術同意書にサインはしたが、本心から望んで提供した訳ではない。

「夫の命がかかっていた。本心は口に出せなかった」

夫とは、遺伝的な肝臓病で余命が短い事を知った上で結婚。

夫は「おれは(生体肝移植は)いらない」と言っていたので、

食事制限に気を配り、休みの度に子供と3人で旅行して想い出作りに励んだ。

夫の体調が急に悪化したのは結婚8年目の夏。

万一脳死移植の手術が受けれるかもと、待機登録の為に大学病院に夫婦で行った。

ところが医師の「余命は3ヶ月。脳死は間に合わない。生体肝移植しましょう」の一言で状況は一変する。

死を受け入れてかに見えた夫は、その日からドナー探しに躍起となった。

一度臓器提供を承諾したおじは、家族の反対で断念した。

家族と医師の会議で、夫の両親と姉は「提供はできない」と席を立った。

一人残ったRさんに医師は、

「誰もいなければ、奥さんあなたですよ」

手術前々日、Rさんは「怖い、手術したくない」と看護士に訴えるも予定通り手術は行われた。

手術の2ヶ月後、ひと月先に退院した夫から病床のRさんの携帯に電話があった。

『離婚してくれ』

結局、手術の時以来顔を見ていない。

Rさんは言う。

「夫も医師も、私の事は見てなかった。

 見ていたのは肝臓だけなんでしょう」

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